インターネットは、様々な人格権侵害を生じる場所です。過度な人格権侵害に対しては法的措置も検討されるべきです。
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人格権とは
人の人格的利益は、法律上も、たとえば民事法上、「権利」ないし「法律上保護される利益」として、法的保護の対象とされていると考えられます。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法第七百九条
刑事上も例えば刑法230条名誉毀損罪が保護しているのは人の名誉、つまり人格的利益であると考えられます。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。 2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
刑法第二百三十条
このように人格権とは、人の人格上の利益を法的に保護することを宣明し、権利として表現した言葉です。この人格権の根拠を憲法13条に定められた幸福追求権に求める立場も有力です。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法第十三条
人格権の種類
人格権には様々なものがあり、インターネット上で問題となる人格権も様々です。以下、よく問題となるものを中心にご紹介します。
名誉権
名誉毀損の場合に問題となる人格権です。人の外部的、社会的名誉を保護していると捉えられています。
名誉感情
侮辱された場合など、受忍限度を越えた名誉感情の侵害について法的保護下に置くものです。もちろん、軽微な発言で違法とされては表現行為が萎縮するため、社会的な受忍限度を越えているか否かが違法かどうかの分かれ目になります。
プライバシー権
私生活上の秘密など、一般的に公開を欲しない情報をみだりに公開されない権利です。近年は社会の情報化がますます進むにつれて、自己情報のコントロール権など権利の捉え方の見直しも検討されています。
肖像権・氏名権
人の姿形や、氏名などの個人のシンボル、アイコンを保護する権利です。無断使用や某用などの場合問題となります。
生活の平穏
強迫行為や騒音公害など、人が平穏に生活する権利も受忍限度を越えて侵害した場合、人格権侵害の問題を導きます。インターネットで問題となるのは、サイバーストーカーや、殺害予告などのインターネットを通した脅迫事案などです。
アイデンティティ権
他人に勝手に自己になりすまされない権利ないし法的利益です。典型的にはインターネット上のなりすましの場合などに問題となりますが、権利自体最近言及されるようになった新しい人格権です。
人格権に関する弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)の情報発信
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