知的財産権法及び知的財産について

知的財産基本法は,「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいうと定めています(知的財産基本法2条1項)。そして,同法は,「知的財産権」とは、「特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう」と定めています(同条2項)。

当弁護士及び当弁護士ウェブサイトにおいて知的財産(IP)及び知的財産権法(IPR)という単語は,上記知的財産基本法の定義に準じます。

上記知的財産基本法は,第1条において「この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現するため、知的財産の創造、保護及び活用に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項を定め、国、地方公共団体、大学等及び事業者の責務を明らかにし、並びに知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画の作成について定めるとともに、知的財産戦略本部を設置することにより、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進することを目的とする」と謳っています。また,同法は,3条において,「知的財産の創造、保護及び活用に関する施策の推進は、創造力の豊かな人材が育成され、その創造力が十分に発揮され、技術革新の進展にも対応した知的財産の国内及び国外における迅速かつ適正な保護が図られ、並びに経済社会において知的財産が積極的に活用されつつ、その価値が最大限に発揮されるために必要な環境の整備を行うことにより、広く国民が知的財産の恵沢を享受できる社会を実現するとともに、将来にわたり新たな知的財産の創造がなされる基盤を確立し、もって国民経済の健全な発展及び豊かな文化の創造に寄与するものとなることを旨として、行われなければならない」とし,さらに,同法4条において,「知的財産の創造、保護及び活用に関する施策の推進は、創造性のある研究及び開発の成果の円滑な企業化を図り、知的財産を基軸とする新たな事業分野の開拓並びに経営の革新及び創業を促進することにより、我が国産業の技術力の強化及び活力の再生、地域における経済の活性化、並びに就業機会の増大をもたらし、もって我が国産業の国際競争力の強化及び内外の経済的環境の変化に的確に対応した我が国産業の持続的な発展に寄与するものとなることを旨として、行われなければならない」としています。

そのうえで,同法8条1項は「事業者は、我が国産業の発展において知的財産が果たす役割の重要性にかんがみ、基本理念にのっとり、活力ある事業活動を通じた生産性の向上、事業基盤の強化等を図ることができるよう、当該事業者若しくは他の事業者が創造した知的財産又は大学等で創造された知的財産の積極的な活用を図るとともに、当該事業者が有する知的財産の適切な管理に努めるものとする」と定めます。

このような知的財産を扱う事業者の責務の全うをお手伝いするために,当事務所は法務サービスを提供することを理念としています。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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