(インターネット上の)名誉毀損における賠償費目

慰謝料

慰謝料の算定にあたっては、さまざまなファクターから金額を決定します。例えば以下の項目などに着目して損害額を算定するのが一般的と言えます。

被害者の職業、経歴、地位など社会的な立ち位置、ステータス

この項目は損害額に大きく影響するファクターであり、例えば芸能人・文化人など著名人や、公人など社会的名誉への毀損が与える影響が大きい場合慰謝料額の増額事由になり得ます。

名誉毀損的言辞の拡散性、伝播状況など、名誉棄損的言辞の方法、影響力

この項目は特にテレビ、雑誌などのマスメディアや、インターネットなどの電子媒体など名誉毀損が行われた媒体によって慰謝料額に大きく影響を与えます。

名誉棄損的言辞の内容すなわち、悪質性、虚偽性或いは相当性、社会性、真実性

名誉棄損的言辞が悪質であること、虚偽であることは慰謝料の増額事由となり、反対に真実性、公共性が全面的に肯定できないとしても、相当程度認められる場合は慰謝料の減額事由ともなり得ます。

弁護士費用

名誉棄損に対して損害賠償を請求する場合、弁護士を代理人にたてて訴訟追行する際発生する弁護士費用が、積極損害として損害費目の一項目として認められるのが通常です。裁判所基準に応じた一定額が賠償の対象となります。

調査費用・削除費用(主にインターネット固有の費目)

インターネット特有の費用として、書き込み主を特定する費用と、書き込みを削除する費用を被害者が負担する場合、負担した費用を請求することが出来ます。弁護士費用と同様に裁判所基準により一定額の賠償額が積極損害として算定されます。ただし、弁護士費用程判例の集積がない部分です。

名誉毀損のご相談について

https://i2law.con10ts.com/2018/07/27/%e5%90%8d%e8%aa%89%e6%af%80%e6%90%8d%e3%81%ae%e3%81%94%e7%9b%b8%e8%ab%87%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

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大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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