ブランデッド・エンターテイメント

ブランデッド・エンターテイメントや、エンターテイメント・マーケティングという言葉があります。

文字通りエンターテイメントをマーケティングやブランディングに活用するものです。

コンテンツの内容は企業やブランド、商品及びサービスとは関連性のない純粋なエンターテイメントの場合もありますが、プロダクト・プレイスメントや、トレードマーク(商標、商号、氏名・名称など)を通じて、コンテンツとリンク、ブリッジされます。

プロダクト・プレイスメントとは、コンテンツの中に企業やブランド、商品あるいはサービスを登場させることです。

加えて、企業、ブランド、商品及びサービスと関連性のない純粋なエンターテイメントコンテンツであっても、良質なコンテンツや話題性のあるコンテンツは拡散されるなどして多くの人の目に触れます。このときに、企業やブランド、個別の商品やサービスの認知向上の機会を得られるものと考えられます。

ブランデッドエンターテイメントの例としては、BMWFILMのThe_Hireなどは有名です。ショートフィルムの中にBMWの自動車が登場します(プロダクトプレイスメント)。しかし映画の内容自体は、商品の直接の宣伝とはなっていません。プロダクトプレイスメントや、商号、商標などを露出させることで、企業やブランド、商品などとリンクし、プロモーション効果を得ていると考えられます。

このように、直接的には宣伝にならないエンターテイメント・コンテンツによって、プロモーション効果を得ようとするのがブランデッド・エンターテイメントやエンターテイメント・マーケティングの考え方です。

ブランデッド・エンターテイメントと知的財産権法

ブランデッド・エンターテイメントの手法により、マーケティングをする場合も様々な観点から知的財産権法による保護を受け得ます。

まず、コンテンツそのものを保護する著作権法の保護により、カスタマーアトラクション効果のあるコンテンツそのものを保護することができます。例えば、第三者が勝手にコンテンツを流用することを防ぐための保護が期待されます。

次に、コンテンツと企業やブランド、商品及びサービスを結びつける商標や商号、キャラクターや出演人物の肖像など標識の保護も商標登録などをとおして適正に実現されるべきです。また、ブランデッド・エンターテイメントの領域では、プロダクトプレイスメントや企業名の表示などについて、著作権のみならず、著作者人格権が標識保護の役割を果たす可能性があります。

総じて著作権法の役割は大きいでしょう。

ブランデッドエンターテイメントで保護されるべきもの

BEで保護されるもの、エンターテイメントコンテンツと企業、ブランド、商品、サービスとのリンクの本質はコンセプトや世界観なので、知的財産権法によって保護できるコンテンツ表現や、標識などの保護をとおして、間接的に保護していくしかないのかもしれません。

ブランデッドエンターテイメントの例

http://www.yhmf.jp/pdf/activity/adstudies/vol_61_03.pdf

KENZOWORLDのブランデッドエンターテイメント事例

良く例に挙げられるのが、フランスの香水メーカーKENZOWORLDのブランデッドエンターテイメント例です。

香水の登録意匠

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/DE/JP-2015-500948/5D8A380F3D8E75550236373E22E2656D11E876F068D181E59F5EE1AA754D50AA/30/ja

ウェブサイト

https://www.kenzoparfums.com/jp/ja/kenzo-world/

動画(ブランデッドエンターテイメント)

※現在非公開となっています。

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)とブランデッド・エンターテイメント

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)でも、弊所PRキャラクターが活躍する純粋なエンターテイメントコンテンツを配信するなど、エンターテイメントをプロモーションに取り入れています。

https://i2law.con10ts.com/%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%86%e3%82%a4%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%bb%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%84/

コンテンツの法的保護を重視する弊所ではコンテンツの実践を法務に反映する取り組みを行っています。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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