データオーダーとその発生の経緯の違い

Webサイトは様々なデータで構成されます。

Webサイトを構成するデータは様々な場所に分属して保存され、クライアントコンピュータにWebサイトが表示される過程で、様々なデータが召喚(データオーダー)され、組み立てられ(データコンバイニング或いはデータセットアップ)て、表示されます。

また、シンプルに全てのデータを、母体となるHTMLファイルに包含してアップロードするやり方もあります。

画像などのメディアファイルは、base64などの技術を用いれば、HTMLファイルにデータとして組み入れてアップロードしてしまうことができます。

この場合、メディアファイルといえど、召喚の必要はないわけです。なぜなら、元からHTMLに集合しているからです。

しかし、複雑化してサイトを構成するデータの容量も多くなっている現代では、データを一旦分属保存し、その後、母体たるHTMLファイルが保存されているサーバーが、クライアントコンピューターの送信リクエストを受け、サーバーからクライアントコンピューターにHTMLファイルが送信され、レンダリングデータとなってクライアントコンピュータモニターに像を表示するまでのどこかのタイミングでデータ召喚(データオーダー)を行い、クライアントコンピューターにおいて、最終的には全てのデータを集合させてから、組み立てるのが一般的です。

画像や音楽などのメディアファイルは、元々HTMLファイルと分かれていたため、分かれているファイルを組み立てて表示する技術が発達しました。

これに対して、HTMLファイルから、特定の表示に関するプログラム表記が抜き出されて別に保存されるようになりました。HTMLを構成する文章も、他の複数のHTMLファイルで共通して使いたい場合もあるため、HTMLファイルから文章データを抜き出して、別の場所に保存する技術が発達しました。

現在のWebサービス、特に動的サイトにおいては必須のデータベース技術です。

このように、HTMLファイルに元から内包されるのが原始形態であった文章データは、如何に分けて別の場所に保存するかという方向で技術が発達しました。

この違いが、HTMLファイルはサーバーサイドデータオーダーを基本とし、メディアファイルはクライアントサイドデータオーダーを基本とするという、原則的なデータオーダースタイルの違いを生み出したものと考えられます。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

関連記事一覧

弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

お問い合わせ

    TOP