民事訴訟

民事訴訟における訴訟費用

民事訴訟における訴訟費用の負担

民事訴訟法第4章は、訴訟費用について定めます。

訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とされます(民事訴訟法61条)。
この訴訟費用の内容については、民事訴訟費用等に関する法律(以下「民費法」ということがあります。)が定めています。すなわち、民事訴訟費用、行政事件訴訟手続費用、家事審判手続費用等の裁判所における民事、家事、行政事件に関する手続きの費用は、他の法令に定めるもののほか、民事訴訟費用等に関する法律が定めるところによります(民費法1条)。

主な訴訟費用

1 申立て手数料

訴訟を提起するときに訴状に添付する印紙代など裁判所を利用した民事、家事、行政事件に関する手続きの申立に必要となる手数料です。具体的な手数料の額は、事件毎に民費法3条及び4条、民費法別表などによって算定します。

2 証人等に対する給付

民費法第3章が定める証人、説明者などの旅費、日当などについては、訴訟費用に含まれます(民費法11条1項、同法2条2号)。

3 当事者及び代理人の旅費・日当

当事者及び代理人が出廷したときは、その旅費及び日当が訴訟費用に含まれます。但し、旅費及び日当の額は民事訴訟費用等に関する規則(以下「民費規則」という。)に定められており、通常必要となる旅費をカバーするとはいえない水準となっています。また、日当も法2条第4号ロの日当額は3950円とされるなど、代理人の日当としてもいわゆる訴訟当事者が弁護士介入させたときに負担することになる弁護士費用・報酬を賄うには不十分な額となっています。

4 書面の作成費用

例えば一審で訴訟を提起して、当事者の主張を記載した書面が5枚以内であれば1500円、5枚を超えるときは20枚まで2500円、35枚まで3500円などの書面作成費用が訴訟費用として認められています。

過納手数料の還付

民事訴訟費用等に関する法律9条1項は、「手数料が過大に納められた場合においては、裁判所は、申立てにより、決定で、過大に納められた手数料の額に相当する金額の金銭を還付しなければならない」と定めています。

この規定に基づいて、手数料を過納した場合は、手数料の還付を申し立てることができます。

過納手数料還付申立書式例

過 納 手 数 料 還 付 申 立 書

  年   月    日

原 告        

上記当事者間の上記事件について、納付した   円の手数料につき、    円の手数料過納があるため、民事訴訟費用等に関する法律9条1項に基づき、過大に納められた手数料の額に相当する金額の金銭還付を申し立てます。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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