著作権法と労働法、下請法、独禁法などの問題

著作権法に関連して労働法、下請法、独禁法などが問題となることがあります。

著作権法は、契約関係のない当事者における権利侵害の問題(不法行為・不当利得)や、利用許諾・権利譲渡等契約関係にある当事者の問題(契約の内容・債務の履行不履行の問題)の他、創作者と製作者の間の紛争がしばしば問題となります。

すなわち、著作権法に関連して、著作物の制作販売に発意と責任をもつ製作者たる企業や使用者と実際の創作を担う被用者、請負業者、フリーランスとの関係性などが問題となります。

とくにクリエイト関連の業界の特徴として、実際に著作物を創作する自然人と、製作者の間には雇用契約の他、請負契約が結ばれることも少なくなく、さらに、クリエイターサイドにはフリーランスの立場の方も少なくありません。

そこで問題となるのが、創作者が雇用関係にある場合は労働法制、請負関係にある場合は下請法や独禁法などの諸法制です。

創作者と製作者が被用者、雇用者の関係にある場合は著作権法15条の職務著作の問題として著作権の帰属の問題は解消されやすい部分です。しかし、後で揉めないためにも、著作権の帰属などについても覚書などで合意しておくことが望ましい部分でしょう。

さらに、製作者と創作者が請負関係にある場合は、創作者と製作者の間できちんと合意を形成しておかないと、あとで著作物の利用を巡って紛争になり兼ねません。また、合意形成の際も、あまりに製作者に有利な契約内容としてしまうと、独禁法や下請法の制裁を受け兼ねないことになります。反対にクリエイターの立場からは、独禁法や下請法も武器にして契約内容を有利な方向で合意し、あるいは解釈することを目指すことが出来ます。

近時公正取引委員会がフリーランスに独禁法が適用される見解を示唆して話題になりました。

このように、著作権と製作者及び創作者の関係は特に創作者が雇用関係にない外部のクリエイターであるとき、さらに問題となりやすい部分と言えます。

契約関係のチェックや合意形成の代理交渉など、なにかお困りごとがあれば弁護士齋藤理央 iC法務までお気軽にお問い合わせください。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

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大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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