役務(サービス)提供におけるキャラクター標章の使用場面

キャラクターは、その言動を含んだコンテンツによって認知度や好感度を高めていきますが、ビジネスの場面ではそのイラストなど「標章」をとおして利用されることが一般的です。

つまりどういうこと?

標章の例

つまり、こういうこと!
普通は、動いたり、話したりしている情報は省いてイラストやロゴがプリントされるでしょ?

https://i2law.con10ts.com/2019/10/03/%e5%95%86%e6%a8%99%e3%81%ae%e5%9c%9f%e5%8f%b0%e6%a8%99%e7%ab%a0%e3%81%a8%e3%81%af/

商標の保護と標章の関係についてはこちらの記事もご参照ください。

役務の提供の場面

有体の商品、物品の提供については当該商品に直接標章をプリントするなどして提供する例が代表的です。また、商取引の対象とされる商品自体ではなく包装や容器に標章を表示することも、取引対象が有体だからできる表示方法です。

これに対して、形のない役務(サービス)提供の場面においては、役務提供に供する物品などに標章を付することになります。

サービスって形がないよね。

形のないものにどうやって僕たちを表示するの?

広告利用

サービスにおいて代表的な標章の利用態様は、キャラクター標章を、広告媒体に付して提供する行為などです。例えば、電磁的方法も含まれるためウェブサイト等にキャラクター標章を表示する行為も当該利用行為に含まれることになります。

商標法2条3項8号 

商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為

私たちがウェブサイトに表示されているのも広告における標章の表示ですね!

役務提供者側の所有管理する物品

役務を提供する側が所有管理し、役務の提供に供する物品に標章を付したり展示することで、標章を利用していくことになります。

標章を付する行為

例えば、弁護士でいえば、使用している筆記具や、連絡用の封筒に標章を印刷すること、標章を印刷した筆記具や封筒を作成することなどです。あるいは、事務所で使用しているプリンターやモニターに標章を印刷したり、シールを貼付することで標章を表示することなどを指します。

商標法2条3項3号 

役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為

役務を提供する行為

例えば標章を付した封筒を用いて依頼者に実際に連絡をとる行為を言います。

商標法2条3項4号 

役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為

展示行為

例えば、事務所で使用しているプリンターやモニターに標章を付すことです。あるいは、依頼者の利用する筆記具として標章を付した筆記具を利用してもらう場合などが想定されます。

商標法2条3項5号 

役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為

なんで例えが弁護士ばかりなんだろ・・・?

提供を受ける者の所有管理する物品

例えば修理業者が修理品に自己の標章を付すような行為が想定されます。

商標法2条3項6号 

役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為

電磁的方法

商標法2条3項7号 

電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号及び第二十六条第三項第三号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為

弁護士でいうとテレビ電話で法律相談をするような場合に画面にロゴを表示するような場合が考えられますね。

また弁護士!

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)のサービス紹介

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)リーガルグラフィック東京では、キャラクターを巡る法律問題についてリーガルサービスを提供しています。

キャラクターを実際につくっているから、キャラクターのことに詳しそうだね!

https://i2law.con10ts.com/2018/10/09/%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%a9%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%92%e5%b7%a1%e3%82%8b%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%96%e3%83%ab%e3%81%ae%e8%a7%a3%e6%b1%ba%e3%81%a8%e4%ba%88%e9%98%b2/

商標に関する法律サービスについてはこちらをご覧ください。

https://i2law.con10ts.com/2018/07/29/%e5%95%86%e6%a8%99%e6%b3%95%e5%8b%99/

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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