契約とは、民法上の用語であり、意思と意思の合致による法律効果発生の条件の一つです。
民事上において、裁判所は、市民と市民の関係を、債権や債務といった言葉で把握していきます。裁判所などの司法機関は、この、債権や債務などをひとつの標識にして、市民間の関係を裁定し、市民に対して、お金を払いなさいとか、仕事を提供しなさいと命令したり、命令に従わない場合は、強制的に従わせたりしていくことになります。おおまかにいえば、この債権や債務と言った権利関係が、法律効果とよばれるものの一内容です。
この債権や債務の発生条件のひとつが契約という、当事者の意思の合致状態を指します。市民社会においては、原則的に、お互いに合意しなければ、相手と債権債務関係と言った法的拘束関係に置かれないことになります(不法行為等の例外的場合は除きます)。
この、当事者の意思の合致は、内心の合致ではなく、表面的に相手に表示した意思の合致が基本とされます。どれだけ、契約内容とは異なることを頭の中で考えていても、裁判所はそれを汲み取ってくれないのが原則です(民法93条等参照)。
だから、相手方と意思を合致させるときは、出来る限り、頭の中で考えている事柄を相手に表示しあい、お互いに合意しておく必要があります。また、お互いの合意を、書面に書いて残しておくことが重要になります。そうしなければ、自分が考えている事と異なる内容について、裁判所に行動を命じられたり、強制的に行動を実行させられたりする事態とも、なり兼ねません。
インターネットにおいても、さまざまな契約が行われています。インターネットを契約のための道具として利用するインターネット内部において行われる契約もありますし、インターネットをめぐるウェブサイトやシステム開発をめぐる契約もあります。また、インターネットで発表、配信されるコンテンツをめぐる契約もあるでしょう。
電子消費者契約法など、インターネット上でしか見られない契約形態について、通常の契約の特則として、法律の内容を一部修正している場合もあります。しかし、一般的には、インターネットをめぐる契約関係においても、民法などの一般条項が適用され、当事者の契約関係を把握していくことになります。
民法において契約は13類型の典型契約に分けられていますが、契約の類型はこれに留まるものではありませんし、類型的な契約の場合でも、その内容を当事者の意思に応じて変えることが許されている部分も多くあります。
インターネットをめぐる契約関係においても、大事なのは、契約時に双方がお互いの考えを表示しあい、合意した内容を文章で残しておくことだといえます。そうすることによって、後々認識の齟齬が発覚して紛争になることや、お互いの合意の内容が不明確であるゆえに紛争になることを防ぐことが出来ます。
合意の文書化にあたって契約書を作成することや、そもそも、自分たちの考えを表示する手段として、契約書を提示し、それに修正を加えていくことで、最終的な契約成立を目指すことなどが考えられます。
このとき、合意内容について、基本的に当事者の意思を尊重するとしても、例外的に裁判所が認めてくれない内容が入っていないか、また、自分たちの意思をきちんと反映した文書内容になっているか、法律の専門家がチェックすることもできます。
合意内容の文書化について、ご自身の意思が反映しているかチェックをする場合、前提となるインターネットの基本的な理解を有する法律家をお考えでしたら、当所の弁護士は当ウェブサイトをすべて自作する程度の知識は有しております。
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