コンテンツと知的財産法について

コンテンツと法律の関係

コンテンツには、通常、著作権その他法律上の権利が発生します。このように、法的な権利が発生したコンテンツはIP(インテレクチュアル・プロパティ、知的財産)として知的財産権法(インテレクチュアル・プロパティー・ライツ)の保護の客体としての地位を与えられます。

つまりここではコンテンツは、各知的財産法制における保護の客体として規定された概念を包含した一連の社会事実であり,各種知的財産権法制によりコンテンツに包含された保護対象(IP)にスポットライトが当てられ,知的財産権法上の保護要件を満たす場合はコンテンツに包含されたIPが知的財産権の客体として権利保護を受けることになります。保護要件は著作権法のように著作物性を満たせば保護が肯定される場合と、商標権、意匠権などの産業財産権のように登録が要件となっている場合など、保護を規定する知的財産権法制によって異なります。

ライセンス契約(事前の紛争予防法務)

いずれにせよ知的財産権法制の保護対象となるIPを包含するコンテンツを社会的に利用していくには,権利者の利用許諾(ライセンス)を得なければなりません。あるいは、権利者において適切な利用許諾を施して,対価と利用許諾のバランスをとる必要があります。

利用許諾は通常ライセンス契約の形で事前に結ばれ,契約書において書面化されます。事後的な紛争を予防するために書面化は必須であり,可能な限り詳細な取り決めを事前に文書化しておくことで事後的な紛争の発生可能性は相対的に減少します。

知的財産権侵害(事後的な紛争の解決)

また、IPを包含したコンテンツを無断で利用した場合、された場合権利侵害の問題が発生します。知的財産権法制は,知的財産権の侵害や、不正競争行為等について民事上、刑事上種々のサンクションを規定しています。したがって、IPを含むコンテンツの不正使用に対しては,民事上、刑事上適切な対処を積極的に行っていく必要があります。反対に、IPを含むコンテンツを故意、過失によって侵害してしまった場合、民事上、刑事上の防御を迅速に展開していく必要があります。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

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大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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