ここでは、広報・PR(パブリックリレーションズ)と法律事務の関係をご紹介します。

近年インターネットの発展により、企業広報・PRの媒体は拡がって来ています。

PR(パブリック・リレーションズ)

PRを、マスメディアに取り上げてもらう情報のパブリシティと捉える向きもあるかもしれません。しかし、PRは、パブリックリレーションズ、つまり企業を取り巻くステークホルダー(利害関係人)との良好な関係構築に主眼があります。その過程で発生する情報の受信、創作、発信、流通の各課程において著作権法など知的財産権法制や、広告規制、消費者保護規制などの各種規制が問題となります。

情報統括機関としての広報部門

企業広報部門は、社外の情報の受信、社内の情報の受信を前提に、適正にこれを統合整理して社外、社内に発信していく情報の統括機関としての役割が期待されます。社内外での情報の流通には著作権法が常に問題になり得ます。

また、対外的な情報発信に際しては、第三者の権利侵害を予防するような配慮に加えて、虚偽の情報や秘匿情報を誤って発信しないような配慮が求められます。

ブランド広報と知的財産権

マーケティング広報においてPRの目的は商品、サービスの遡及、購買です。このとき、商品、サービスはブランド化され、ブランドを保護する法制が知的財産権法制です。代表的には商標法、意匠法や不正競争防止法がこの機能を担います。ブランド広報の効果を十分保護するためにも知的財産権戦略は重要となってきます。

企業の社会的責任と広報業務

企業の社会的責任(CSR)は、ステークホルダーとの良好な関係構築のための広報業務においても基幹となる行動指針です。例えば、昨今注目されているのが「企業と人権」や「ビジネスと人権」といったテーマです。企業運営においても人権を視座に据えることが必要な時代であり、ステークホルダーとの良好な関係構築にも人権意識は強く求められていると言えます。

国際的なCSR規格であるISO26000も公表されています。

また、ステークホルダーとの共通価値の創造を通した社会貢献が求められます。反対に、企業の社会的責任の不履行は、マスメディアだけでなくSNSなどインターネット上でも激しく非難される可能性があります。

危機管理広報(風評被害・炎上対応)

企業において危機を生じないようにし、かつ生じた場合に備えておくこと(リスクマネジメント)が重要ですが、何らかの危機、トラブルが生じた場合、企業の社会的責任としての説明責任にも対応して、危機管理(クライシスマネジメント)的な広報活動を行うことが必要です。

危機発生後のクライシスコミニュケーションにおいては、的確、迅速なステークホルダーとの情報共有が求められます。平時から危機発生時の対応マニュアルを用意する、模擬謝罪会見を行うなどの備えが重要です。

広報・PRを巡る企業法務のご相談は弁護士齋藤理央まで

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    広報・PR法務を巡る情報発信

    知的財産権紛争を巡るプレスリリース

    知的財産権侵害をめぐっては、特に訴訟提起、判決など節目のタイミングでプレスリリースする事が少なくありません。 Contents1 プレスリリースとは2 知財紛争を巡るプレスリリースの目的3 知財紛争を巡るプレスリリースの […]

    弁護士齋藤理央

    東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
    【経 歴】

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    大阪府豊中市出身

    早稲田大学教育学部卒業

    大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

    2010年    東京弁護士会登録(第63期)

    2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

    2021年    弁理士実務修習修了

    2022年    今井関口法律事務所参画

    【著 作】

    『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

    『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

    『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

    『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

    『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

    『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

    『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

    【セミナー・研修等】

    『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

    『リツイート事件最高裁判決について』

    『BL同人誌事件判決』

    『インターネットと著作権』

    『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

    『著作権と表現の自由について』

    【主な取扱分野】

    ◆著作権法・著作権訴訟

    ◆インターネット法

    ◆知的財産権法

    ◆損害賠償

    ◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

    【主な担当事件】

    『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

    『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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