犯罪被害

被害者等通知制度実施要領

最終改正 平成28年5月27日法務省刑総第741号
(平成28年6月1日施行)
第1 目的
 この要領は,被害者その他の刑事事件関係者に対し,事件の処理結果,公判期日,刑事裁判の結果等を通知することにより,被害者を始めとする国民の理解を得るとともに,刑事司法の適正かつ円滑な運営に資することを目的とする。
第2 通知の対象者
 通知の対象者は,次の者とする。
(1)被害者,その親族若しくはこれに準ずる者(以下「被害者等」という。) 又は弁護士であるその代理人
(2)目撃者その他の参考人等(以下「目撃者等」という。)
第3 通知の内容
 通知の内容は,次のとおりとする。
(1)事件の処理結果については,公判請求,略式命令請求,不起訴,中止,移送(同一地方検察庁管内の検察庁間において,専ら公判請求又は略式命令請求のために行う移送を除く。),家庭裁判所送致の別及び処理年月日
(2)公判期日については,係属裁判所及び公判日時
(3)刑事裁判の結果については,主文(付加刑,未決勾留日数の算入,換刑処分及び訴訟費用の負担を除く。),裁判年月日,裁判の確定及び上訴
(4)公訴事実の要旨,不起訴裁定の主文,不起訴裁定の理由の骨子,勾留及び保釈等の身柄の状況並びに公判経過等(1)から(3)までの事項に準ずる事項
(5)有罪裁判確定後の加害者に関する事項
  ア 懲役又は禁錮の刑の執行終了(刑のうち一部の執行を猶予された刑については,そのうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行終了を含む。以下アにおいて同じ。)予定時期,受刑中の刑事施設における処遇状況に関する事項,並びに仮釈放又は刑の執行終了による釈放に関する事項及びこれに準ずる事項
  イ 懲役又は禁錮の刑の執行猶予の言渡しの取消しに関する事項
  ウ 拘留の刑の仮出場又は刑の執行終了による釈放に関する事項及びこれに準ずる事項
(6)(5)に準ずる事項
第4 被害者等又は弁護士であるその代理人に対する通知の実施
 検察官又は検察事務官(以下「検察官等」という。)が被害者等の取調べ等を実施したときは,被害者等に通知の希望の有無を確認し,希望する者に対し,第3,(1)から(3)までの事項を通知する。
 被害者が死亡した事件又はこれに準ずる重大事件にあっては,検察官等が被害者等の取調べ等を実施しないときでも,被害者等に通知の希望の有無を確認し,希望する者に対し,第3,(1)から(3)までの事項を通知する。ただし,通知の希望の有無の確認が困難なときは,確認することを要しない。 
 被害者等又は弁護士であるその代理人から照会があったときは,これらの者に対し,第3,(1)から(3)までの事項を通知する。
 被害者等又は弁護士であるその代理人が特に第3,(4)又は(6)の事項について通知を希望するときは,これらの者に対し,その事項を通知することができる。
 第3,(5)の事項の通知については,平成19年11月22日付け法務省刑総第1576号刑事局長,矯正局長,保護局長依命通達「被害者等に対する加害者の処遇状況等に関する通知について」(以下「平成19年第1576号通達」という。)による。
 第1に定める目的に沿わないときその他通知することが相当でないときは通知希望の有無の確認及び通知は行わない。
第5 目撃者等に対する通知の実施
 検察官等が目撃者等の取調べ等を実施した場合において,第1に定める目的等にかんがみ相当であるときは,目撃者等に通知の希望の有無を確認し,希望する者に対し,第3,(1)から(3)までの事項を通知する。
 目撃者等から照会があった場合において,第1に定める目的等にかんがみ相当であるときは,これらの者に対し第3,(1)から(3)までの事項を通知する。
 目撃者等が特に第3,(4)又は第3,(5),ア(ただし,受刑中の刑事施設における処遇状況に関する事項を除く。以下同じ。)の事項について通知を希望する場合において,第1に定める目的等にかんがみ相当であるときは,これらの者に対し,その事項を通知することができる。ただし,不起訴裁定の理由の骨子については,この限りではない。
 第3,(5),アの通知については,平成19年第1576号通達による。
第6 通知の方法
 通知は,口頭又は文書その他適宜の方法により行う。
第7 通知を要しない場合
 通知することが困難なときは,通知することを要しない。
第8 引継
 事件を移送したときは,本制度の実施に関する事項を移送先の検察庁に引き継ぐ。
 事件が上訴されたときは,本制度の実施に関する事項を上訴審に対応する検察庁に引き継ぐ。
第9 事務細則
 検察庁の長(区検察庁にあっては,その庁の対応する裁判所の所在地を管轄する地方検察庁の検事正)は,この要領の実施に必要な事項に関し,事務細則を定める。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

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◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

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