著作権の消滅

著作権は、次に掲げる場合には、消滅します。

すなわち、著作権者が死亡した場合に、その著作権が民法959条の規定により国庫に帰属するべき場合、或いは著作権が一般社団法人に関する法律239条3項等の規定により国庫に帰属するべき場合、著作権は国庫に帰属することなく消滅することとされています(著作権法62条1項)。つまり、本来著作権が国庫に帰属するべきところ、特別法たる著作権法により、著作権は国庫に帰属せずに消滅します。

自然人に帰属する著作権の消滅

民法959条は、民法第5編第6章「相続人の不存在」に規定された条項のひとつです。すなわち、著作権者に相続人があることが明らかでないとき、「家庭裁判所が選任し、広告を行う(民法952条1項、2項)相続財産管理人」が行った「相続債権者及び受遺者に対する広告(民法957条1項)」後に行う「相続人の捜索の広告(民法958条)」によっても相続人として権利を主張する者がないときに、特別縁故者にも分与されなかった(民法958条の3第1項参照)著作権は、民法959条により国庫に帰属するのが原則ですが、特別法たる著作権法62条1項1号により消滅することとされます。

法人に帰属する著作権の消滅

また、著作権が帰属する法人が解散した場合に、一般社団法人に関する法律第239条3項乃至これに準じる規定により法人の残余財産として著作権が国庫に帰属することとなる場合も、著作権法62条1項2号により、国庫に帰属するはずの著作権は実際には国に帰属せずに消滅することとなります。

映画の著作物利用に関するその原著作物の著作権の消滅

映画の著作物の著作権が、著作権法62条1項により消滅した際は、当該映画の著作物利用に関するその原著作物の著作権も、映画の著作物の著作権とともに消滅したことになります(著作権法62条2項、同法54条2項)。

 

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

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大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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