RSC通信

WORDPRESSプラグインの修正とその法的検討

WORDPRESSテーマやプラグインのカスタマイズについて、法的問題点はないか疑問に思われたことはないでしょうか。このエントリでは、WORDPRESSテーマやプラグインのカスタマイズの法的問題点について若干述べたいと思います。

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WordPressプラグインのインストール

この会話形式のコンテンツを制作するにあたって、プラグインの利用の必要が生じました。

そこで、セットアップさせて頂いたのが、 LIQUID SPEECH BALLOONです。 

スピーチバルーンは、WORDPRESSプラグインで、ワードプレスを利用しているサイトで、会話形式のコンテンツを簡単につくることが出来ます。

LIQUID SPEECH BALLOONの修正

ただ、コンテンツの性質からキャラクターアバターをもう少し大きく表示したいという気持ちがありました。

そこで、キャラクターアバターに適用されるCSSを少し修正して、デフォルトの縦横64PXから、縦横256PXに拡大しました。

しかし、今度はPX固定にすると、スマホでレイアウトが崩れてしまいました。

そこで、再度修正して、キャラクターアバターのサイズを制御しているCSSを、縦横15VWという可変サイズに指定。スマホ縦方向はまだ微妙ですが、レイアウトが完全に崩れる状態は防ぐことが出来ました。

ワードプレスプラグインの修正は許諾されるのか

さて、ここからが本題です。ワードプレスプラグインをこのように、自由に改変することは許されるのでしょうか。

修正にあたって、法的な検討を加えました。

まず前提となるのが、ワードプレスはGPLヴァージョン2(GPLv2)というオープンライセンスを採用しています。

そして、その日本語訳も公開されています。

また、ワードプレスはプラグインやテーマなどの提供者にもGPLライセンスを求めており、GPL100%という指針を掲げています。

この方針から、ワードプレスプラグインもGPLを踏襲している例が多く(※)、今回のLIQUID SPEECH BALLOONも、GPLライセンスを採用しています。

※ただし、必ずしもGPLをすべて採用しているわけではなく、例えばワードプレスを踏襲して開発されたプラグインのPHPにはGPLライセンスが適用されるが、独立したCSSや画像データにはGPLが及ばないという解釈のもと、PHP部分とその他の部分でライセンスを分けているスピリットライセンスの例なども多く、プラグインの修正を行う際必要であれば、専門家へのご相談もご検討ください。

GPLv2を踏まえた修正の検討

GPLv2においては、2項に改変( modify )の場合の規定が定められており、2-1,2-2,2-3において、それぞれの遵守条件が定められています。

2-3は、インタラクティブに作動するコマンドについて、注意書きを記載することなどを求める条項です。さらに、通常告知を必要としないケースでは、例外的に告知を求めないと定めているため、今回は、CSSの本の一部を修正するに過ぎないため、2-3は適用外と判断しました。

2-2は、修正したプログラムをさらに頒布などする場合は、第三者にもGPLライセンスに準拠して利用を許諾しなさいというもの。ワードプレスにおけるGPL指針において、頒布と利用は明確に分けられているため、自身のサイトにCSSを利用する場合は2-2はそもそも適用外と思えますし、第三者が同様に自由に利用する点は全く問題がないため、2-2も、本件ではクリアと考えられます。

残るは、2-1ですが、修正(modify)した際は、「you changed the files and the date of any change」、つまり、修正したということと、その日付を記載しておきなさい、という内容です。

そこで、修正したCSSのうち、修正部分のすぐ下部にメモ書きで下記のとおり記載しておきました。

/* 2019.09.18 modify width: 64 >16vw; height: 64 > 16vw; */

https://ns2law.jp/wp-content/plugins/liquid-speech-balloon/css/block.css

これで、2-1もクリアということになると考えています。

以上をもって、法的な問題点をクリアできたと考えることから、今回の法的検討は終了し、コンテンツをアップすることとなりました。

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)では、本エントリ記載のとおり、現に自作のウェブサイトコンテンツを制作する際に法的検討を行うなどしています。

ワードプレステーマの修正

弊所で利用しているワードプレステーマもカスタマイズが自由ですので、CSSに下記のカスタマイズを施しています。テーマについても、採用しているライセンスやテーマごとの利用規約が異なります。

.p-entry__body h2 { font-size: 140%; color:#ac0d0d;border-bottom: solid 2px orange;background-color:#ffd0d5;font-weight:bold;}
.p-entry__body h3 { font-size: 130%; color:blue;border-bottom: solid 2px lightblue;background-color:#c9c1ff;font-weight:bold;}
.p-entry__body h4 { font-size: 120%; color:green;border-bottom: solid 2px lightgreen;background-color:#c3ffcb;font-weight:bold;}

2021年11月13日の修正

2021年11月13日にワードプレステーマを更新した関係で、テーマの修正を下記の通り変更しました。すなわち、ワードプレステーマのCSSファイル1528行目から1538行目を下記のとおり上書きしています。

/* text and headline */

/* 2020.11.13 modify border&iframe */

.p-entry__body p { margin-bottom: 2em; }

.p-entry__body h1, .p-entry__body h2,

.p-entry__body h3, .p-entry__body h4, .p-entry__body h5, .p-entry__body h6 { clear: both; line-height: 1.4; margin-bottom: 24.2px; }

.p-entry__body h1 { font-size: 150%; }

.p-entry__body h2 { font-size: 140%;border-bottom: solid 1px orange;border-left: solid 2vw red;}

.p-entry__body h3 { font-size: 130%; border-bottom: solid 1px lightblue;border-left: solid 2vw blue;}

.p-entry__body h4 { font-size: 120%; border-bottom: solid 1px lightgreen;border-left: solid 2vw green;}

.p-entry__body h5 { font-size: 110%; border-bottom: solid 1px gray;border-left: solid 2vw darkgray;}

.p-entry__body h6 { font-size: 100%; } iframe{width:100%;}

https://i2law.con10ts.com/wp-content/themes/famous_tcd064/style.css?ver=1.5 [1528行目から1538行目]

ウェブサイト関連法律事務について

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)では、ウェブサイト関連の法律問題を取り扱っています。

本稿で扱ったワードプレスライセンスの問題など、ウェブサイト作成の過程では様々な法律問題が発生します。ウェブサイト関連事業者の皆様において、何かお困りごとの際は、お気軽にご相談ください。

その他ウェブサイトに関連したコンテンツ

ウェブサイトに関連したコンテンツは下記リンクとなります。

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弁護士齋藤理央

東京弁護士会所属/今井関口法律事務所パートナー 弁護士
【経 歴】

写真(齋藤先生)_edited.jpg

大阪府豊中市出身

早稲田大学教育学部卒業

大阪大学法科大学院修了/最高裁判所司法研修所入所(大阪修習)

2010年    東京弁護士会登録(第63期)

2012年    西東京さいとう法律事務所(I2練馬斉藤法律事務所)開設

2021年    弁理士実務修習修了

2022年    今井関口法律事務所参画

【著 作】

『クリエイター必携ネットの権利トラブル解決の極意』(監修・秀和システム)

『マンガまるわかり著作権』(執筆・新星出版社)

『インラインリンクと著作権法上の論点』(執筆・法律実務研究35)

『コロナ下における米国プロバイダに対する発信者情報開示』(執筆・法律実務研究37)

『ファッションロー(オンデマンド生産と法的問題点)』(執筆・発明Theinvention118(6))

『スポーツ大会とスポーツウエアの法的論点』(執筆・発明Theinvention119(1))

『スポーツ大会にみるマーケティングと知的財産権保護の境界』(執筆・発明Theinvention119(2))

【セミナー・研修等】

『企業や商品等のロゴマーク、デザインと法的留意点』

『リツイート事件最高裁判決について』

『BL同人誌事件判決』

『インターネットと著作権』

『少額著作権訴訟と裁判所の選択』

『著作権と表現の自由について』

【主な取扱分野】

◆著作権法・著作権訴訟

◆インターネット法

◆知的財産権法

◆損害賠償

◆刑事弁護(知財事犯・サイバー犯罪)

【主な担当事件】

『リツイート事件』(最判令和2年7月21日等・民集74巻4号等)

『写真トリミング事件』(知財高判令和元年12月26日・金融商事判例1591号)

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